5日目はStage 11〜14の253kmです。ここまでずっと続いてきた1000kmに及ぶ山岳区間もこれで終わりです。ここに来て1000m級2つというと堪えるものがありますが「1日かけて箱根2回」と考えれば出来ないことはないだろう、と自己暗示をかけて走りはじめました。
Stage 11 : 〜 Dicomano (54.1km, 8/20 4:22 〜 8/20 8:55)
Matassinoで3時間ほど仮眠を取り4:22に出発しました。最初は暗かったですが明るくなるにつれ目下に町を見下ろしながら走ることができました。また、ヨーロッパは高所に町を作るので、登り進んだところに町が現れたりして面白かったです。
18kmで1000mを登る感じなので、そんなにキツい斜度ではなくゆっくり力をセーブして登りました。
1つ目の峠をクリアして長いダウンヒルというところで。。。
パキン!!!
何かが割れるような音がしました。
なんだと思ってバイクを確認しましたがすぐには分からず、、しばらくチェックしていたら、何とフロントホイールのスポークが1本折れていました!
応急処置として折れたスポークがフレームに干渉しないように折り曲げてホイールを回してみたところ左右にブレてしまいます。
ここで終わったと思いました。平地なら騙し騙し走れないことはなさそうですが、1000m級のダウンヒルを安全に下りるのは難しそうです。
せっかくイタリアまで来てこんなところでDNFかと何とも言えない脱力感を感じ、スポークと一緒に心も折れてしまいました。
幸い次のコントロールまで10kmほどだったので、とりあえずそこまで行って食事を摂ってスタッフさんにDNFを伝えることにしました。
コントロールでゆっくり食事を摂りながらスマホでスポーク折れについて調べては「やっぱりスポークが折れても大丈夫とは言えないな」とか、帰路のルートを調べては「ここからミラノまで5時間弱もかかるのか」など考えていていました。すると、そこにちょうど日本からの参加者がいらっしゃったので
「マシントラブルでDNFになってしまいました。」
と伝えたところ、
「スタッフの中にメカニックがいると思うのでスタッフに相談した方がいいですよ。自分もディレイラーの不調を直してもらいました」と教えていただきました。
( PBPではメカニックさんがブースを構えて大々的に修理対応してくれていましたが、1001 migliaではそのようなものは全く見なかったのでコントロールで直してもら発想がありませんでした。)
さっそくスタッフさんに相談したところ、折れたスポークを取り外してもらえましたが、
「ここのコントロールにはメカニックはいない。次のコントロールに行ってみるか、途中の町で自転車店を探すしかない」
とのことでした。そうしたところ、今度はSNSで繋がっているオーストリアの方から
「イタリアの町には大抵自転車屋があるし、イタリア人は親切だからきっと助けてくれるはず」
とアドバイスが届きました。
自分はすっかりDNF気分になってしまっているのに、周りの人たちが何とか続けられるようにアドバイスをくれていることで、自分も考えを改めるようになりました。
「折角ここまで来たんだから、行けるところまで行ってみよう。」
Google Mapによるとここから20km以上離れたフィレンツェまで行かないと自転車店はなさそうでしたが、Appleのマップによるとルート上、2つ先の町(Borgo San Lorenzo)には自転車店がありそうです。ひとまずそこまで行ってみることにしました。
Stage 12 : 〜 Pallazuolo Senio (48.3km, 8/20 9:15 〜 8/20 13:32)
という訳で自転車店を目指して再スタートしました。トラブルを乗り越えてこそのブルベだ、と楽しくすらなってきました。
気持ちを切り替えてスイッチが入ったせいか、それまで苦しんでいた腰、お尻の痛みが嘘のようになくなりました。足に力が入るようになったんだと思います。
そうこうして、Borgo San Lorenzoに着き、自転車店に向かったのですが、Appleのマップの情報は正確でなく、少し離れたところに店舗があり、さらに自転車店ではなく、オートバイ店でした。結局、ここでは修理できず、確実に 自転車店を見つけるにはやはりフィレンツェまで行かないといけなそうと思ったのですが、ここは次のコントロールにメカニックさんがいることを期待して、そのまま先に進むことにしました。
ホイールのブレですが、そういえば以前伊那600で交通事故に合った際に同様のブレが出たことがありました。そのときは夕方だったためホイールのブレにはすぐに気付かずそのまましばらく走ってしまいました。
なので、今回も気付かなかったことにすれば大丈夫と(半分冗談で)考えたりしながら、もちろんダウンヒルでは慎重に走って先に進みました。
この最後の峠も目下に町を見下ろすような見事な景色を楽しむことができ、これだけでもDNFせずに続けてよかったと思いました。
そうこうするうちにコントロールに到着しましたが、ここは山の上だけあって、1001 migliaのコントロールの中でも何もないコントロールで当然ながらメカニックさんはいませんでした。それでもスタッフの皆さんが心配してくれて、タイヤに空気を入れてくれて、「次のControlのLugoは大きい町なので 自転車店があると思う」と教えてくれました。
Stage 13 : 〜 Lugo (55.6km, 8/20 13:55 〜 8/20 17:04)
というわけでLugoを目指して出発しました。ダウンヒルではスピードを出しすぎないように注意し、平坦区間ではホイールのブレに気づかなかったことにして。。
この区間はがっつり夕立に降られました。日本の夕立(ゲリラ豪雨と呼ぶ前の昔の夕立)は1回降ってやんだらおしまいですが、この地方の夕立は1度止んで晴れたと思ったらまた激しく降るというのが何度もありました。お蔭で、終わったと思って雨具を脱いで靴下を絞って走ってたらまた濡れ鼠になるということがありました。
とはいえ長いダウンヒル区間なので楽に走れて17時すぎにLugoのコントロールに着きました。
さっそくスタッフさんに自転車の修理について相談すると、私のことを覚えていてくれて(同じスタッフさんが選手のペースに合わせてコントロールを回っているので)、近くの自転車店に事情を説明して作業の予約をしてくれました。「店は19時までやっているが、作業時間が分からないのですぐ自転車店に行って、それから戻ってきて食事をした方がいい」と言われ自転車店に行き、さらにスタッフさんも自転車店まで来てくれて店員さんに事情を説明して優先的に修理してもらうことできました。
修理で1時間ほどロスしましたが、ようやく後顧の憂いがない状態でリスタートすることができました。まだ2時間貯金があるので十分完走は狙える範囲です。
Stage 14 : 〜 Massa Finalese (95.3km, 8/20 18:55 〜 8/21 1:19)
というわけで通常モードでリスタートです。
Lugoがかなり大きな町だったので「ここからは都市型ブルベになるのかな」と思ったらすぐに果樹園や田園風景に切り替わりました。イメージとしては北関東の高崎〜伊勢崎〜館林あたりを走っている感じです。でも葡萄畑などイタリアならではの景色は見られました。
ただ路面は想像以上に悪く、日が落ちるにつれ、段々修行のような走りになってきました。
街灯が少ない中、対向車のハイビームで視界を遮られつつ、ライトを頼りに路面だけを見て走り続ける感じです。何にも楽しくありません。また、畑や草むら沿いを走るため、ちょっと止まるとすぐ蚊やブヨに刺され気持ちよく休憩がとれません。
夜が更けて眠くなってくるとますますつらくなってきました。複視の症状も出てきて運転に神経を使わなければならなくなってきました。路肩で仮眠をとっているグループも多く見られましたが、私は虫が嫌だったので、そのまま進みました。
眠すぎてペースがぐっと落ちてしまって、午前1時すぎにようやくControlに到着しました。
コントロールでは食事を摂った後、体育館のようなところで雑魚寝しました。やはり固い床の上でしたが、すごく眠かったので有り難かったです。
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