オダックス近畿さんのRM430に参加してきました。
これまでLRMは2019年のPBP(Paris-Brest-Paris)と2024年の1001 migliaのみでした。順番が前後してる感じですが、日本でもトコトン満喫してみたいというのが参加の理由です。
また、もちろん、8月のLEL(London-Edinburgh-London)の前哨戦という意味もあります。公式の案内に以下のようにありまして、これを読んだら参加しない訳にはいかないだろうと考えました。
今年は、LEL(ロンドン - エジンバラ - ロンドン 1540km)が英国の地で開催されます。RMのベテラン勢の方たちは勿論のこと、LELに参加するけど海外でいきなり1500km越えを走るのは不安で仕方がないという方や、LELには参加しないが1500km越えの距離を走るという事はどんなものか 挑戦してみたい!という方もおられるかと思い企画してみました。
計画&準備
過去のPBP、1001 migliaでは終盤眠くてヘロヘロになってまともに走れなかったのが反省点でした。特に2回とも最後に無理をして徹夜で走ってしまい、夢うつつの中、全く思うように走れませんでした。そこで今回はしっかり仮眠計画をとって最後まで正気を保って走り切るのが最大の目標です。
さて、全体としては以下のように仮眠計画をたてて臨みました。
| day | 到達地 | 距離 | 獲得標高 |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 〜 豊田 | 210km | 2114m↑ |
| 2日目 | 〜 佐久 | 250km | 5183m↑ |
| 3日目 | 〜 二本松 | 314km | 2875m↑ |
| 4日目 | 〜 盛岡 | 293km | 2703m↑ |
| 5日目 | 〜 函館 | 231km | 2126m↑ |
| 6日目 | 〜 千歳 | 276km | 2291m↑ |
このコースの後半は津軽海峡をどう渡るかである程度スケジュールが決まる構成になっています。フェリー、新幹線の本数が限られるので、何時の便に乗るかでその前後の行程が大体決まります。
自分の場合、他の多くの人と同様、函館で1泊することとして、夕方までに青森に着きたいというところから逆算して、4日目の宿泊地は盛岡を選択しました。
一方、前半は2日目の長野の山岳地帯をどのくらいのペースで走れるかが計画のポイントになります。当初は高崎まで約300km走る計画としていましたが、それでは2日目に負荷が集中しすぎていると不安になり再考し佐久までに短縮することにしました。
あとは元気なうちに距離を稼げるようにと3日目の距離を眺めに二本松に設定しました。
以上のような行程ならば大体22時にはホテルに着くことができそうで、バランスのよい計画ができたと思いつつ本番に臨みました。
前泊
久しぶりに京都に行きたいなと思ったりもしましたが、京都から河内長野はちょっと遠いので堺に泊まることにしました。大仙陵古墳(aka 仁徳天皇陵)まで散歩したりして過しました。
1日目 (河内長野(大阪)〜豊田(愛知))
会場の会議室でのブリーフィングの後、おそろいのフレームバッジやアンクルバンドを装着してスタートを待ちます。お祭ムードがいい感じです。
12時に河内長野をスタートしましたが、まずみんな速くてびっくりしました。なかなか着いていけないペースでした。やっぱり1500km超のブルベに参加するような人は皆強者揃いだなと思いました。
スタートの河内長野からは奈良方向に東進していきますが信号が多くて意外に進みませんでした。関東だと40〜50kmも走るとだんだん信号が減ってくるものですが全然減っていきません。さすが大和時代から歴史がある地方、集落の広がり方が他地域とは全然違うななどと考えながら走りました。
奈良を過ぎると多少信号は減りましたが、四日市に入るとまた信号が増えてきて名古屋では全然ペースが上がりませんでした。
初日は決して難コースという程ではありませんでしたが、思ったよりペースが上がらず貯金を稼げなかった1日となりました。
2日目 (豊田(愛知)〜佐久(長野))
2日目は4時半にスタートしました。
登り区間が集中する2日目ですが。PC3を過ぎるとすぐにじわじわとした登りが始まっていきました。
ただ序盤はなだらかな勾配で気候もよかったので気持ちよく走ることができました。そのうち徐々に勾配はきつくなっていきましたが、新緑の景色がきれいで楽しんで登れました。
赤坂峠、治部坂峠、寒原峠を通るこのコース、東海地域のブルベでは割と有名で三連峠などと呼ばれることもあるらしいですが、私は始めてで土地勘がなく、どの辺を走っていてピークがどこなのかとか全然分からりませんした。
南信州は以前興津600で新野峠を登るルートを走ったのみだったので、その時のルートを思い浮べながら走りましたが、興津600よりはマイルドだったように思いました。
とはいえアップダウンの連続なので当然脚は削られていきました。特に諏訪から後の和田峠、それに続く名もなき峠なども結構きつく、佐久平で短か目に切り上げる計画は正解だったなと思いつつ19時27分に投宿しました。
ホテルに着いて天気予報を確認すると翌日は朝8時ごろから雨が降り始め日中はずっと雨予報。また雨に合わせて強めの東風が吹く模様です。時間的には宇都宮あたりが雨のピークになりそうとのことでした。
翌日のコースは宇都宮までは東に一直線なので、雨風を避けるにはできるだけ早く出発するしかないということで3時には出発する計画を立てて就寝。
3日目 (佐久(長野)〜二本松(福島))
ということで3日目は予定通り午後3時に出発しました。
佐久から軽井沢の間は、勾配がそれほどきつくないものの、延々と続くような上り坂で、個人的にはあまり得意ではありません。しかし、一晩寝たことで脚が回復し、比較的スムーズに上ることができました。やはり2日目の走行距離を短めに切り上げて正解だったと実感しました。
碓氷峠からは長い下り道が続きますが、霧が非常に濃く、見通しが悪くて少し怖かったです。いつも以上に慎重に下りました。
雨は予報よりも遅れて、午前10時頃までは持ちこたえました。本降りになる前に雨具を装着して走り始めましたが、しばらくは降ったり止んだりの繰り返しで、正午に宇都宮のPC(チェックポイント)に到着する頃には、一度雨具を脱ごうかと思うほどでした。
他の参加者の方で、宇都宮をもう少し遅い時間に通過された方は、かなりひどい雨に降られたようです。宇都宮を何時に通過するかで、その後の状況が大きく変わったみたいですね。私の場合、作戦がうまくいき、雨のピークを避けることができました。
とは言え、宇都宮を過ぎてからは本格的な土砂降りの中を走ることになりました。予報では昼過ぎあたりが雨のピークのはずでしたが、二本松のホテルに到着するまで、雨の中を8時間近く走り続けることになりました。気温は低くなかったので辛さはありませんでしたが、雨の影響なのか、GarminのEdge 530の液晶が剥がれてしまい、最終日のトラブルの伏線となってしまいました。
福島区間は国道4号を避けたコースだったため、景色が良く走りやすかったです。しかし、補給ポイントが少なかったのは盲点でした。40kmほどコンビニがない区間があり、少し危ない状況でした。
ホテルは二本松に予約していましたが、雨のため直前にコンビニに立ち寄る余裕がありませんでした。「今日は食事なしで寝ようか」と諦めかけていましたが、幸いにもホテルのレストランのラストオーダーに間に合い、夕食をとることができました。無料のライス大盛りが想像以上のボリュームで、良い補給になりました。
4日目 (二本松(福島)〜盛岡(岩手))
4日目は雨はあがり空は晴天となったものの、強烈な向かい風と横風に苦しめられました。特に街と街を繋ぐ長い丘越えでは風をさえぎってくれるものがなく、全く進まず苦労しました。
強風の中を漕いでいたせいか、段々右膝裏の筋を痛めてしまいました。「左右均等に出る痛みは疲労のせいだけど、左右どちらかに出る痛みはポジションのせい」という考えで、痛みの原因を考えて、クリート位置を微調整したりしながら走りました。
また、このあたりから国道4号をひたすら走るコースが増えてきたのもなかなか厳しかったです。道は広いものの、ダンプを始め大型車両が多く、アスファルトが所々痛んでおりコース取りに気を使います。
仕方なく路肩を走っていたところプシュー。後輪をパンクさせてしまいました。
見ると大きなスクリュー釘が見事に刺さっていました。
例のタイヤ外しと電動ポンプのお蔭でチューブ交換は格段に楽になったのですが、何と! 電動ポンプの充電を忘れていました。
チューブはスムーズに交換できたもののポンプの充電待ちで30分のロス。
見晴しのよいルートが多く、仙台周辺など景色の道も多かったですが、なかなか苦しんだ4日目でした。
5日目 (盛岡(岩手)〜函館(北海道))
盛岡でホテルに投宿し4日目のグロスを確認したところ16.6km/hまで落ちていました。
5日目はフェリーで津軽海峡を渡る必要があります。津軽海峡フェリーは3〜4時間に1本なので時間管理が大切になります。17時15分発を逃がすと22時25分になりますがそれだと函館着が午前2時5分になってしまい、最終日の走行計画が難しくなります。
青森フェリー埠頭まで226km。グロスが16km/hまで落ちるとすると午前3時に出発しても17時15分のフェリーには間に合いません。5日目の疲労や天候次第ではタイムアウトになる可能性もあります。ここが正念場と午前2時13分に盛岡のホテルをスタートしました。朝からまた雨が降り出したのでレインウェアを着込んでのスタートです。
ペースコントロールが重要ということでグロスを確認しながら走りました。
すると、思った以上に軽いギアで回していて、いつものペース(≒ケイデンス)で走っているつもりでも速度がでていないことに気付きました。自分の場合ウルトラロングを走っているときによくあるのですが、無意識のうちに体力をセーブしようとして必要以上に抑えすぎてしまいます。それからは意識して速度を維持するように努めました。
あと、歌を歌いながら走るとペースを維持できることにも気付きました。まともに歌える歌は1曲もないんですが、BanglesとかBeatlesなんかを声を出して歌いながら走りました。
岩手町から一戸、二戸と景色のよい場所で、りんごの花などを見ながらテンション高めに走れたこともあり、八戸のPCまではグロス18.3km/hで走ることができました。
結果、PC9の青森フェリー埠頭についたのは16時1分。余裕を持って落ちついてフェリーに乗船することができました。
フェリーだと函館まで3時間強かかります。そのため新幹線を使って移動した参加者の方も多かったようですが、自分は休息の一環としてフェリーを選択しました。静かでよく眠ることができ、ホテルでの睡眠と合わせて6時間ほど眠ることができました。
6日目 (函館(北海道)〜千歳(北海道)
最終日は3時にスタートしました。その時点は雨が降っていたものの日中は晴れる予報。さらには強い西風で長万部以降は追い風の中を走れそうです。このブルベ中、1番の良コンディションとなりそうです。
明け方はまた雨だったものの、そんなことを考えならが午前3時ごろ出発しました。
ところが前日痛めた左膝上には痛みが残ったままでした。前日サロンパスを貼って寝たものの回復せず。走行中、膝に負担をかけないようにポジションを工夫してみたり、クリート位置を微調整してもむしろ徐々に悪化するくらい。昼ごろからは左脚は添えるだけで、ほぼ右脚だけで漕ぐようになってしまいました。
そのため、せっかくの良コンディションでもペースは上がらず、やはり16km/hくらいしか出ませんでした。
加えて、ここに来て Garmin Edge530が故障して動作しなくなってしまいました。いつの間にか電源が落ちていて、再度電源を入れようとしてもウンともスンとも言わなくなってしまいました。
3日目の雨ライドで液晶が剥離してしまったわけですが、5日目、6日目の雨がそこから浸水して、回路をショートさせたか何かしてしまったようです。
スマホで地図を確認したところ、現在地はキューシートでいうとNo.471 「83.5km進んで名もない交差点を左折して町道に入る」の途中です。既にかなり進んでいたので正確にあと何km走った先を左折すればいいのか分かりません。急遽、スマホにRide With GPSのアプリをインストールしてナビ機能を使おうとしましたが、ハンドルにマウントできずにナビをさせるのは無理があります。
正直ここで詰んだかとも思いましたが、とりあえず道に迷ってどうにもならなくなるまでは行ってみようとEdge530の復活を祈って走ることにしました。
何度か電源Onを試していたところ、そのうち電源は入るようになりました。ただGNSSの受信はできずにすぐemergency modeに入ってしまいますが。
だとすると回路はまだ完全には死んでないから乾けば復活するかもしれないな、と本体を振ったところ隙間から水滴がでてきました。そこで水がでなくなるまで本体を強く振ってあとは乾燥するのを待つことにしました。
そうしたところ、昼ごろになって復活し、また動作するようになりました。件の交差点の前に復活して、迷子にならずに済んで本当に助かりました。
ただ左脚の痛みは悪化の一方で苦しい走りは続きました。手持ちのサロンパスじゃ効果がないので途中のドラッグストアでロキソニンを買って使ってみたりしましたが回復には至らず、西風のお蔭で何とか走れはする、という感じでした。
なので他の参加者の方に結構抜かれつつ、何とか走り続けて、最後は19時33分にやっとこさゴールすることができました。
以下が行程表です。
| ホテル間距離 | 総距離 | 上り | 予定速度 | 予定時刻 | 実際時刻 | 実際速度 | クローズ | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| START | 0.0 | 4/30 12:00 | 4/30 12:01 | 4/30 13:00 | ||||
| PC1 | 40.1 | 40.1 | 374 | 19 | 4/30 14:06 | 4/30 14:03 | 19.72 | 4/30 15:19 |
| PC2 | 142.7 | 142.7 | 1551 | 19 | 4/30 19:30 | 4/30 18:58 | 20.87 | 4/30 23:52 |
| Hotel1 | 210.6 | 210.6 | 189 | 19 | 4/30 23:05 | 4/30 22:44 | 18.03 | |
| 210.6 | 0 | 5/1 4:30 | 5/1 4:32 | 0.00 | ||||
| PC3 | 3.6 | 214.2 | 276 | 19 | 5/1 4:41 | 5/1 4:49 | 12.71 | 5/1 5:48 |
| PC4 | 105.2 | 315.8 | 2476 | 12 | 5/1 13:09 | 5/1 10:34 | 17.67 | 5/1 14:16 |
| PC5 | 190.3 | 400.9 | 1055 | 18 | 5/1 17:53 | 5/1 15:32 | 17.13 | 5/1 21:15 |
| Hotel2 | 249.9 | 460.5 | 1376 | 16 | 5/1 21:36 | 5/1 19:27 | 15.22 | |
| 460.5 | 0 | 5/2 3:00 | 5/2 2:58 | 0.00 | ||||
| PC6 | 166.7 | 627.2 | 1394 | 17 | 5/2 12:48 | 5/2 12:19 | 17.83 | 5/2 15:52 |
| Hotel3 | 314.7 | 775.2 | 1481 | 17 | 5/2 21:30 | 5/2 21:00 | 17.04 | |
| 775.2 | 0 | 5/3 7:00 | 5/3 3:48 | 0.00 | ||||
| PC7 | 106.8 | 882.0 | 1124 | 17 | 5/3 13:16 | 5/3 9:51 | 17.65 | 5/3 13:04 |
| Hotel4 | 293.0 | 1068.2 | 1579 | 17 | 5/4 0:14 | 5/3 22:00 | 15.33 | |
| 1068.2 | 0 | 5/4 3:00 | 5/4 2:13 | 0.00 | ||||
| PC8 | 123.1 | 1191.3 | 1163 | 16 | 5/4 10:41 | 5/4 8:55 | 18.37 | 5/4 14:50 |
| PC9 | 226.2 | 1294.4 | 937 | 16 | 5/4 17:08 | 5/4 16:01 | 14.52 | 5/4 23:26 |
| PC10 | 226.9 | 1295.1 | 6 | 16 | 5/4 17:10 | 5/4 20:55 | 0.14 | 5/4 23:26 |
| Hotel5 | 231.6 | 1299.8 | 20 | 19 | 5/4 17:25 | 5/4 15:11 | -0.82 | |
| 1299.8 | 0 | 5/5 3:00 | 5/5 3:50 | 0.00 | ||||
| PC10(2) | 4.7 | 1304.5 | 16 | 16 | 5/5 3:17 | 5/5 3:14 | -8.02 | 5/4 23:26 |
| PC11 | 163.5 | 1463.3 | 1596 | 16 | 5/5 13:13 | 5/5 13:46 | 15.10 | 5/5 12:40 |
| GOAL | 275.7 | 1575.5 | 679 | 16 | 5/5 20:13 | 5/5 19:33 | 19.40 | 5/5 22:00 |
冒頭書いたように「最後まで正気を維持してゴールまで走りきる」を目標に取り組んだこのブルベ。正気という意味では目標達成できたものの身体のコンディションとしてはかなりボロボロで自分の中でも相当厳しいブルベの1つとなりました。