2026-02-20

Ramp Testについて

 FTPを測定する方法としていくつかありますが、比較的よく行なわれるものにRamp Testというものがあります。

Ramp Testは負荷が徐々に上がる中でできるところまで漕ぎ続け、ピークパワーからFTPを推定するものです。本当にきついのは最後の数分だけなので、20分テストよりはかなり心理的障壁は低いです。

ただ、普段の走行であまりやならないので、慣れないと実力が発揮しにくいものでもあります。そのため、特に初めのうちは実際のFTPよりも低い値がでてしまうことがあります。


そこで、ここではちょっとしたコツを紹介したいと思います。


まず、Ramp Testの流れを少し細かく説明します。

Ramp Testでは46%の負荷で5分間warm upしたあと、1分ごとに6%負荷が上がっていきます。つまり13分後には100%に到達し、19分後には136%に到達します。20分後には136%で1分間漕いだところになります。



ここで止めた場合、最後の136%に0.74を掛けた値が推定されるFTPになります。

136% x 0.74 = 100%

なので、

  • ちょうど20分漕いだところでやめると元々のFTPと同じ。
  • 20分漕ぎきる前にギブアップすると元のFTPより下がる。
  • 20分以上漕げれば、以降1分ごとに約6%ずつFTPが上がる。
  • 1分漕ぎきらず途中で止めた場合は上昇分は按分される。(30秒なら約3%上がる)

ということになります。

また、同じピークパワーでも元々のFTPが低いところから始めるとその分長く漕がなければならないので大変で、高いFTPから始めれば全体の漕ぐ時間が短くなるので多少楽ということになります。そのため、一気にFTPのスコアを上げるのは大変だということになります。


そこで以下のような作戦で臨むのがよいと思います。

  • ターゲットFTPを+6%~12%として、21分ないし22分漕ぎ切ることを目標とする。
  • 14分過ぎて100%を越えてくると負荷が高くなってくるが、ペースを維持して20分以降に準備する。「前回は136%まで漕ぎきれたのでいけるはず」と自己暗示をかけて体力を温存して漕ぐ。
  • 20分を過ぎたら、「あと1分だけ(2分だけ)!」と残った力を出し切って漕ぎ切ります。

とにかく20〜22分に勝負をかけて、少しずつFTPを伸ばす作戦です。


こんな感じで取り組むことで「ここまで頑張ろう」と目標をはっきりできるので取り組みやすくなるのではないでしょうか。


2026-02-18

FTPについて

FTP(Functional Threshold Power)、あるいはFTPを体重で割ったPWR(Power Weight Ratio)はロードバイクに乗る人ならば1度は聞いたことがある言葉だと思います。「富士ヒルでシルバーを取るためにPWR 4.x kg/w」など具体的に目標を立ててトレーニングしている方も多いと思います。

反面、FTPは非常によく使われていることもあり、逆に批判的な意見も多いです。

そこで、ここではFTPについての私の理解をまとめたいと思います。

最初に言うと、私は「FTPは理解して使えば、特に初心者ライダー、ホビーレーサーにとっては十分有用」というスタンスなので、どちらかというとFTPを擁護するような話になりますので予めご承知おきください。

そもそもFTPとは

そもそもFTPとは何かですが、FTPの最も基本的な定義は

FTP ≡ 「1時間維持できる最大パワー」(watt)

になります。現実には (後述するように) 異なる定義で計測されたFTP"推定値"の方が一般的だったりしますが、教科書的なFTPの定義は上記になります。

なぜFTP(PWR)が広く使われているのか

FTP (PWR)が広まっている理由ですが、1つには「走力についての分かりやすい指標だから」というのがあります。例えば、
- PWR = 4.0kg/w ならばホビーレーサーとしては結構トレーニングしているな、とか。
- 東京-大阪キャノンボール達成するならFTP 2xx(w)以上必要、とか。
 という感じですね。
 
もちろんFTPで全てが決まるわけではないですが、分かりやすくて便利な指標となっているというのはあると思います。

しかし、それよりも実践的な用途は、トレーニングの負荷設定に使うというものです。トレーニングの負荷をゾーンと言って、細かいことを言うとその定義も色々あるのですが、FTPを使った以下のような定義が広く使われています。

ゾーン 名称 %FTP 典型の持続/感覚 主な目的
Z1 Active Recovery <55% とても楽、会話余裕 回復、循環促進
Z2 Endurance 56–75% 楽〜やや楽、長時間持続 有酸素基礎、脂質代謝
Z3 Tempo 76–90% ややキツい、会話途切れがち 持久力と筋持久の橋渡し
SS Sweet Spot 88–94% キツいが維持可 時間効率よくFTP耐性向上
Z4 Threshold 91–105% かなりキツい、集中必須 FTP向上・TTE延長
Z5 VO2 Max 106–120% とてもキツい、数分が限界 有酸素最大能力向上
Z6 Anaerobic 121–150% 30秒〜2分が限界 無酸素容量・耐乳酸
Z7 Neuromuscular 最大 数秒スプリント 神経系・最大出力

表のように、FTPに対して何%の出力を出すかでゾーンが決められますが、重要なのは何%という数値よりも「主な目的」の部分で、要はゾーンごとに体の使い方(トレーニング効果)が違ってくるということです。

そのため、このゾーンを正しく理解して負荷を設定することで、より効率的なトレーニングができることになります。スプリント能力を強化したいならばZ6、Z7でトレーニングすべきですし、ヒルクライム力を鍛えたいならばSS、Z4を重点的に行なえばいい、というような話です。

パワートレーニングの黎明期に 「FTPを基準にゾーン設定するとよい」という説が広まったことで、FTPの認知度が高まりました。

ただ、実際には、FTP比と体の使い方の関係は個人差が非常に大きく、この表はあくまで目安になります。

FTPの測定方法

最初に書いたとおり、FTPの基本的な「1時間維持できる最大パワー」ですが、1時間を最大パワーで漕ぎ続けるのはキツすぎて時間もかかるので、1時間パワーとして計測する人はほとんどいません。(私も計測したことはありません)

その代わりに以下のような方法で測定されることが多いです。
- 20分パワー : 20分走の平均パワーを測定し、その95%をFTPとする。
- Ramp Test : 1分ごとに徐々にパワーを上げていくRamp Testを実施し、最大パワーの75%をFTPとする。
- AI推定 : TrainerRoadというサービスでは、そもそもFTPテストを実施しなくても、過去のワークアウトの実施結果からFTPをAIで推定してくれます。

AI推定は別として、基本的には「より短かい時間の最大パワーを計測し、それに係数を掛けることでFTPを算出する」というものです。なんでこんなことが可能かというと、ゾーン表で説明した通り、「各ゾーンの最大パワーはFTPと相関がある」という説があるからです。

ただ、ゾーンとFTPの関係は個人差が大きいので、このように計算したFTPは個人差が大きいです。

端的な例はいわゆる脚質です。

クライマー脚質の方はSweet SpotやThresholdが得意な傾向があるので、Ramp TestでFTPを計測すると比較的低めの数値が出ますし、逆にスプリンター脚質の方は短時間パワーが高い傾向があるのでRamp Testでは比較的高めの数値が出やすくなります。

これはつまり、突き詰めて言えば、結局のところ、20分走で測っているのは20分走力であり、Ramp Testで測っているのはvo2max(に近い)走力ということになります。

このように、同じFTPという言葉を使いならが、測定方法によって異なるものを測定している、つまり実質的に定義の異なるFTPが乱立している、というのがややこしいところです。

FTPに対する批判

このように、実質的な定義が乱立しているFTPだけに、様々な視点から批判も出ています。視点が変われば見え方が変わるので本当に様々な言い方がなされていますが、結局のところ

「1時間パワーと、各ゾーンのパワーの関係は人それぞれ」

ということに尽きると思います。

これを、「FTP = 1時間パワー」と元々の定義で捉えている人からすれば、「1時間パワーから、各ゾーンのパワーを設定するのは不適切」、「FTPはインターバルトレーニングの負荷設定の役に立たない」となる一方で、FTPをRamp Testで測定している人からすると、FTPを使うことでそこそこ良い負荷設定ができる、となります。

またどんな測定方法であっても結局ある1つのゾーンでの走力でしかないので、「レースでの速さとFTPの高さは別物」という批判もなされています。

どの批判も的を射ているものではありますが、FTP測定を理解していればある意味当り前のことでもあります。

ではどうすればいいのか?

ではどうすればいいかですが、まずレース上位を狙うシリアスレーサーの方は、FTPのようなただ1つの指標を使うのではなく、各ゾーンごとにパワーを測定するのがよいでしょう。

かの有名な「パワー・トレーニング・バイブル」では、(1)5秒パワー、(2)1分パワー、(3)5分パワー、(4) 1時間パワーを測定することが推奨されています。それは、それぞれ(1)神経筋パワー、(2)無酸素運動容量、(3)vo2max能力、(4)乳酸閾値 を示すから、とのことです。

走力テストはかなりキツいので、それを細かく何度も計測するというのは気が重いですが、レースで上位を目指す人はどうか頑張ってください。

そこまでは、というホビーレーサーの方には引き続きFTPは有用だと思います。自分の走力を数値として把握し、トレーニングプランの作成や、効果測定に使うのにはやはり便利な指標だと思います。

測定方法によって実質的に違うものを測定するというのは要注意ですが、FTPの実用的な用途としてはインターバルトレーニングの負荷設定だと思うので、それに近いRamp Testで測定するのがよいと思います。

「それだったら最初から5分パワーとして測定した方がよい」という声もあるかもしれませんが、「富士ヒルシルバーを目指すならPWR 4.xx (w/kg)が目安」など語られることは多いので、そういうのを参考にするためにも自分のFTP値を知っておくのはよいと思います。

恐らく、レース経験を積み重ねていくと、そういった単純は参考にならなくなってくると思いますが、その時こそFTPを卒業する時なのだと思います。


2026-02-16

OS-500 & キャリーカートで飛行機輪行

飛行機輪行ではOS-500を使うことが多いです。

以前は国内便ならば軽量輪行袋で十分と思っていましたが、SL-100で鹿児島に行ったところ、幸いバイクは無事だったものの袋が破けてしまったことがあり、それ以来可能な限りOS-500を使うようにしています。

OS-500は保護性能は安心ですが、畳んで持って自転車で走ることができません。コンパクト輪行袋なら最寄り駅まで自走してからパッキングすることができますが、OS-500の場合、自宅でパッキングして、担いで移動する必要があります。(PBPではそれがしんどくて以来OS-500は使わずにきました)。

何とか楽に移動できないかと調べ、他の方のブログを参考に、キャリーカートを使って移動することにしました。↓このカートです。


結果としては「完璧ではないが、あるとないと大違い」でした。

自転車をカートに乗せると以下のようになります。3,000円しないカートでしたが、思いの他しっかりしていて自転車くらいの重量では全く問題ありませんでした。これで引いて移動することができるので重さを感じずに移動することができました。




ただ、うまくパッキングしてカートに積載しないと下を擦ってしまいました。特に私の場合、di2のバッテリーを取り出すためにシートポストを外した状態でパッキングしていたので、一層擦りやすい形になっていたと思います。

さらに、飛行機に積載する際にはカートは取り外されていたようで、せっかく擦らないように積載したのに、戻ってきたときにはまた擦るようになってしまいました。

結局、最後の最後、最寄り駅から自宅に帰るところではカートは使わず担いで移動しました。




というように、気を使わなければならないところは色々あったのですが、ずっと担ぐのに比べずっと楽に移動することができました。次回、OS-500を使う際にもきっとまた使うと思います。

まあでも、本当はsciconのキャスター付き輪行バッグがいいのかなとは思いました。高いですけど。

2026-02-08

新幹線輪行 (特大荷物スペース付き座席)

 今回の四国輪行では特大荷物スペース付きの座席をはじめて利用しました。実際利用してみると困惑したことや、多少のトラブルがあったので、わかったことを書いておこうと思います。

特大荷物スペース付き座席の予約とは、結局のところ、車両最後尾の席を予約すること。

荷物スペースは車両最後尾の席の人が優先的に使えるスペースであって、荷物スペースだけの専有利用を予約できるものではないです。が、乗客によっては専有利用できるものと誤解している人もいると思います。そういう人と交渉する際には正しい知識を持っていることが重要です。

車両最後尾に他の乗客もいる場合には、スペースを共同利用する必要がある。

車両最後尾でない席の乗客はスペースを使うことはできませんが、最後尾の乗客には等しくスペースを利用する権利、つまり1席分のスペースを利用する権利があります。

同じ並びに別の乗客がいない場合は3席ないし2席分のスペースを利用できますが、JRとしては保証できないとなります。

自転車輪行の場合、1席分のスペースに収納することは難しいでしょうから、極論すると、並びの席を全部確保するようなことをしないと、「特大荷物スペースに自転車を置けることを確実に保証するのは難しい」となります。

特大荷物スペース付き座席の予約ができるサイトは限られる。

私はふだん、えきねっとを使っていますが、特大荷物スペース付き座席の予約には対応していませんでした。以下の記事によると、「エクスプレス予約」「スマートEX」「e5489」「JR九州インターネット列車予約」ならば予約できるそうです。

JRおでかけネット 新幹線への「特大荷物」の持ち込みについて

特大荷物スペースに収納できなかったとしても、まあ何とかなる。

上記サイトに「事前予約なく車内に特大荷物をお持ち込みになった場合、持込手数料をいただきます」とあるので、特大荷物スペース付き座席の予約は最低限必要ですが、仮にスペースに収納しきれなかった場合でも、最後尾座席ならばデッキに近いので、デッキに置けば問題ないです。デッキに置く場合、開くドアの反対側に置くように時々移動しなければなりませんが、乗務員さんに聞けば、どこの駅でどちら側が開くというのは教えてもらえるので、いつ動かせばよいか分かります。のぞみならば停車駅も多くないですし、負担ではないです。

テスト投稿

武蔵新城の麺創研紅。寒いときには特に美味しいですね。